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親族内承継

ご子息やご兄弟など、近い親戚への事業承継は今も昔も最も一般的な承継方法です。かつては約9割、いまでも6割はこの親族内承継です。
ご自身が一代で築き上げた事業を、近い親類で引き継いでもらえたら安心ですし、十分に利益が出ている事業であれば、豊かな暮らしを引き継ぐこともできます。
また、代々親族で受け継いで来た事業であれば、自分の代で伝統を途切れさせるわけにはいきません。

一方で、親族内の承継は、3つの問題を抱えています。

1. 後継者の資質

「息子に事業を引き継ごうと考えているが、従業員と同じように給料の不満を言っているようで、経営者に向いていないのかな」

これは、実際に62歳の運送業の社長が漏らした言葉です。
特に中小企業においては、カリスマ性のある創業者が得意先も従業員も引っ張っており、組織的な運営がなされていないケースが大半です。そんな中にご子息が社長に就任するも、創業者のようにうまく経営をすることが出来ずに、業績を落とすことがあります。もちろん、うまく時代の流れを読み、創業者以上の成績を残す2代目もいますが、一般的には40%の成功率と言われています。

経営者としての教育をする必要があります。現場、営業、管理者、経理、全てにおいて最低限の経験と知識を持ち、更に時代の流れを読む経営をしなければ、この進歩の早い社会では生き残ることは困難です。
果たして、忙しい社長に、2代目をじっくり育てる時間と教育方法をお持ちでしょうか。家族ですので、双方甘えも出ます。
少なくとも、経営の部分については、専門家に任せてはいかがでしょうか。

当社では、2代目養成塾という全5コマの講義を開催しています。会社を離れて、客観的な視野を養成するには、会社にとって必ずやプラスに働くことでしょう。

2代目養成塾

財務… 損益計算書、貸借対照表とはそもそも何なのか?その見方を学びます。
資金繰り… 資金繰りの大切さ、資金繰り表の作成方法を学びます。
政策金融公庫、保証協会の違い、銀行プロパー融資の意味を学び、融資の交渉の基礎を習得します。
労務… 社会保険、雇用保険の基礎、残業代など、労務の基本を学びます。
税務… 所得税、法人税、消費税、贈与税、相続税、の今更聞けない基礎から学びます。
経営… 会社のビジョンを設定し、ビジョンに合わせた中期計画の作成方法を学びます。
中期計画の作成後は1年間の短期計画を作成し、作成するだけでなく、毎月の試算表をベースに振り返りをします。

全5コマ 計12時間 税別 240,000円

2. 個人保証

親族内承継で障壁になることが多いのがこの個人保証です。8割以上の中小企業が金融機関から融資を受けており、社長がその連帯保証人となっています。2代目に経営権が移ると同時に、連帯保証も2代目が引き継ぐことが必須となります。

ここで2代目が難色を示すケースが意外とあります。「2億も保証をするなんて聞いていない」と。引き継ぎを決めたら、決算書を開示し、じっくりと会社の経営状況を説明しなければなりません。享受できる報酬だけでなく、この個人保証も含めた負の面も説明し、応諾を受けておきます。

しかし、これで問題は解決しません。若い2代目は資産背景も少なく、金融機関がイエスと言わないケースがあります。その場合は経営権は2代目に移して、個人保証は移せない、という事態になり兼ねません。2代目への事業承継を決めたら、金融機関との会議の場に積極的に2代目も同席させ、円滑な個人保証の移転にも準備期間をかけましょう。

3. 自社株対策

親族内承継において、最も経済的な問題が自社株の承継です。自社株は換金価値が無いことが多い一方で、現実的には資産価値を有しています。
会社の決算書の貸借対照表の純資産をご覧ください。ざっくり言うとこの純資産が自社株の価値です。土地などの保有資産に取得した時以上の含み益があればオンされます。

どうですか?意外と大きな金額ですよね。これをご子息にいかにして承継するかがポイントとなります。
例えば、純資産が3,000万円で、含み益が1,000万円あるとします。合計4,000万円の価値です。一番簡単なのが、譲渡=買い取りです。しかし、まだ若いご子息がそんな大金をお持ちでしょうか。
では、贈与ではどうでしょうか。実は贈与税が掛かります。以下が贈与税の税率表となりますが、これに当てはめると、4,000万円×50%-415万円=1,585万円の納税です。…負担が大きいですね。

じゃあ死ぬまで社長が保有していて、相続で承継するのかというと、これも他の個人資産も合算され、5%~55%の課税がされます。八方ふさがりじゃないか!となりますが、この八方ふさがりが事業承継を妨げていることに気づき、ついに国も大きな決断をしました。それが、事業承継税制です。

これは、5年間の暫定措置で、上記の贈与税または相続税の納税猶予、最終的には免除を視野に入れるものです。

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